もういいんだなにもかもU・x・U

元芸人の余生を割と赤裸々に綴ってやるよ

あんたは運がいい

なんかちょっと前のポパイに載ってたくどうれいんて女の子のエッセイ詩集みたいなやつやっと買えた。どこにも売ってなくてふざけんなよと思ってたが都内に出るついでに学芸大前のちっさい本屋に寄って買った。

 

タイトルは、わたしを空腹にしないほうがいい だ。この言葉を見てなんか気になってしまったのだ。偉そうなタイトルでいいなと思った。

 

読んでみるとまぁ僕の親愛なる曽我部恵一の著書、昨日、今日、明日とか虹を見たかい?に似ていた。こじゃれた文章や表現で柔らかく日々を綴るみたいなテイスト。曽我部さんのは大好きだったがくどうれいんのはなんだかなぁ〜と阿藤快だった。文章もうまいし表現豊か、視点もいいしまず料理をベースにしてるのがいい。毎日書いてるのもすごい。でもやっぱ固有名詞で出すものとか歌手とか店とか場所とかが鼻につくんだよな。意味もたせんなよ。私お洒落でしょって密かに伝えたいんだなって感じる。出身も大学も東北なのにやけにシティな感じを漂わせる感じ。不自然なんだよな、なんだか。だがなぜここまで彼女に対してこんな気持ちになるか。それは俺が全く一緒だからだ。彼女と。田舎で育ち都会を羨み、田舎を憎み都会を愛す。逆もまた然り。同族嫌悪だ。そこにさらに彼女の才能をまざまざと見せつけられ、世の中に何かしらの影響を与える立場にあることがとてもとても羨ましいのだ。妬みなんだよな。

 

だって分かるから。そうやって自分の人生をお洒落に素敵に表現するって人生を豊かにする方法なんだ。自分の人生を好きになるやり方なんだ。彩りを与える魔法なんだ。この子はうまい。自分を自分で上げる上手な生き方を知っている。それが世の中の誰かにこうして届いていることがもうスペシャル。唯一無二を確立してる。

 

だが負け犬としてこれだけは言っておきたい。

それは運がいいからだ。才能に気づき気づかれ、いいタイミングで人生の岐路をまたぎ今に至ったからだ。ずるいよあんたは。なんであんたはそうなれたんだよ。俺だってなりたい。俺だって特別になりたい。俺だって何かを発信して誰かに影響を与えたいよ。誰かから羨ましがられていい気になりたい。そんで寄ってきた可愛い女の子と寝たり素敵な夜を過ごしたり酔いしれて潰れたい。