もういいんだなにもかもU・x・U

元芸人の余生を割と赤裸々に綴ってやるよ

出勤初日

15日は初出勤だった。人生で初めての出勤を経験した。

 

朝はおそろしくギュウギュウの満員電車を予想したがそこまでギュウギュウではなかった。しかし、途中のアナウンスで気づいたのだが上野行きの電車ではなく、湘南新宿ラインに乗ってしまっていて池袋に来てしまった。早く着きすぎて乗る電車を間違えていた。音楽を聴いていたので全然気づかなかった。サニーデイの東京は相変わらず春を歌っていた。

急いで乗り換えを調べてめちゃくちゃ走ってギリギリ時間ピッタリに会社に着いた。危なかった。緊張して前の晩全然寝れなかったのもありお腹も痛かった。最悪のコンディションで初日が始まった。

 

朝礼で常務が俺を丁寧に紹介してくれた。常務が自分で書いた俺についてのメモを読みながらみんなに伝えるのを横から見て、心の中で三つ指をついた。

 

俺はと言えば緊張して、皆さんの力を借りて一人前の男になりたいと思います、などと訳の分からないことを言ってしまった。

 

俺は少なくとも7、8年芸人をやってきてたくさんの人を見てきた。顔を見ればなんとなくその人がどんな人か分かる。みなさんの顔を見て、この職場の人たちは皆仕事が出来る人間だと思った。そして俺が客ならば、きっとこの人たちを信用するだろうとも。それが顔だけで判断できた。

そしてここはアルバイトの場ではない、ということを痛感した。

 

常務につきっきりでオリエンテーションしてもらい、1日ビジネスマナーの本を読んでいた。お昼は美味しいお蕎麦をご馳走してくれた。常務はユーモアに富んでいて話していて楽しい。丁寧に教えていただいた。日本橋には桜の木があって濃いピンク色の花が咲いていた。それを見てあれはソメイヨシノですか?と絶対違うのにそんな質問をしたのが恥ずかしくてずっと焼き付いている。

 

帰りはこの仕事を紹介してくれた転職エージェントの元よしもと芸人のえの君と日本橋で飯を食った。芸人の話とかお互いの今までについて話した。えのは見た目がモロよしもと芸人なのだが酒が全く飲めない男だった。お互い居酒屋でコーラを10杯以上飲んだ。勤務初日に一緒にご飯行ってくれてなぜかいろんなことに安心した。

 

帰りの電車では眠すぎて眠すぎてずっと目の下がダルい感覚に我慢していた。