平日の昼

最近はスカートばかり聴いてる。澤部さんの声はとても落ち着く。魔女って曲が特に好き。

そろそろ仕事が始まる。これからは平日に街に出かけたり寝たりはできない。辛い。そしてそれは寂しい。平日の昼がもう俺のものじゃなくなる。大学を卒業してから9年、大学生のときもダラダラしてたから計13年、平日の昼は自分の手元にあった。

いままで平日の昼にたくさんのものが生まれた。新しい趣味とか発見とか恋とか海とか先輩、後輩。勝負にドキドキに退屈だって生まれた。乗客の少ない京王線が何か素敵な出会いを予感させたし、宇都宮の優しい陽の光が若い俺を美しくダメにした。彼女の帰りを待つだけの時間になったりもした。南浦和のアパートでビール飲んで寝た。

高校生以来だ。平日の昼がなくなるのは。これからはずっと毎日、お金をやりくりしながら今日は何を食べようって考えるものになるんだろう平日の昼は。

好きな洋服を着て平日の昼に街を歩くことはもうできないのだ。平日の昼に電話で誰かと約束をすることも。サニーデイの東京が違う聴こえ方になってしまうのだろうか。そんなことを考えると途端に泣きたくなってきた。